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令和5年度 入学式

令和5年度入学式 ~校長式辞~

春光うららかな季節を迎え、爽やかな躍動が感じられるこの佳き日、ご来賓、保護者の皆様のご臨席を賜り、
令和5年度入学式を挙行できますことは、本校にとってこの上ない喜びであり、心より厚くお礼申し上げます。
ただ今、入学を許可された本科生35名、専攻科生15名の皆さんの入学を、在校生及び教職員一同心から歓迎します。
入学おめでとうございます。
本日、皆さんは創立115年という、歴史と伝統を誇り、青森県で唯一、海のスペシャリストを養成する八戸水産高校の一員となりました。
本科生の皆さんは、期待と不安が交錯しつつも、希望に満ち、それぞれの夢を膨らませていることと思います。
また、専攻科生においては、これからの学びに向かって気持ちも新たにしていることと思います。
地球の表面の約70%は海で覆われており、海は絶えず生命の源として、また、生物の多様性を育む母体として機能してきました。
しかしながら、地球温暖化による気候変動、それに伴う水産資源の変動など、海の包容力が限界を迎えようとしている今、
私たちは海に支えられた生活を守り、未来に引き継いでいくための知識と体験を得る、水産教育が重要と考えております。
新入生の皆さんには、本校でしか体験できない学習や実習などを通して、
地球環境や世の中の変化にも十分に対応できる人間力や行動力を身につけ、
自立した社会の形成者へと成長していくことを期待しています。
さて、本日の入学式にあたり、新入生の皆さんに伝えたいこと3つがあります。
一つ目は、学校生活の中で「無我夢中」になれるものを見つけてほしいということです。
人生において、迷いや悩みは必ず生じます。しかしながら、現実をしっかりと見つめ、今、自分のおかれている状況の中で、
目標を定め、我を忘れて物事に集中することができれば、余計なことで悩む必要はなくなるはずです。
ぜひ、学習や資格取得、部活動など自分自身が「無我夢中」になれるものを見つけ、行動してください。
二つ目は、実社会で通用する「コミュニケーション力」を身につけてほしいということです。
「コミュニケーション力」とは、他者との良い関係を築くために必要な社会的能力のひとつとされており、
相手の話に耳を傾けて理解するための「聞く力」、自分の考えを相手に理解してもらうための「伝える力」、
そして相手に協力を仰ぐための「連携する力」だと思います。ぜひ、学校生活の中でこれらの力を高めてください。
三つ目は、「何事もやればできる」とうことです。
2022年の男子マラソンの世界記録は、ケニアの選手が保持している2時間1分9秒です。
我々一般人が世界記録を更新することは難しいですが、5時間ないし6時間かかっても、諦めなければ完走することはできます。
また、目標を持ってしっかりとトレーニングを継続すれば、自己記録の更新も可能です。勉強も同様です。
どんなに難しい数学の問題や資格検定の問題であっても、諦めず粘り強く取り組めば、必ず正解に導くことができます。
できない理由を探すのではなく、「何事もやればできる」と自分自身を信じて、物事に取り組んでください。
いよいよ高校生活がスタートとします。主役は生徒の皆さんです。
我々教職員は、1人1人に対して適切なコーチングをしたり、時には叱咤激励しながら皆さんの事を支えていきます。
保護者の皆様には、ぜひ、マネージャー的な役割を果たしていただき、学校と家庭が連携して生徒達を支え、
卒業というゴールに向かって邁進できるようご協力をお願いいたします。
また、地域の皆様におかれましては、ひたむきに目標に向かって頑張る生徒達を見守り、声援を送っていただくようお願い申し上げます。
結びに、本日ご出席いただきました皆様に重ねて感謝の意を表し、
また、晴れやかな気持ちと大きな決意を胸に秘めた新入生にとって、
これからの高校生活が将来にとって大きな財産となっていくことを祈念し、式辞といたします。

令和5年4月7日
青森県立八戸水産高等学校
校長 中川 伸吾